こんにちは、できない研究所所長です。
最近のニュースで、スリランカがイラン船を救助した件や、軍艦攻撃について米国が後悔するというイラン外相の発言が話題になっていますね。この「海上の攻防」というキーワードに、私の科学者としての血が騒ぎました。そこで私は、この壮大なドラマを身近な現象として捉え、その本質を解明する実験を計画したのです。具体的には、研究所の「家庭用バスタブ」と、特売の「イワシの缶詰」をイラン船に見立て、隣の研究室から拝借した「ミニチュア潜水艦型石鹸入れ」を攻撃側に見立て、シミュレートを試みました。
まず、バスタブに水を張り、缶詰を浮かべました。次に、石鹸入れを水中から接近させ、特定の角度で缶詰に衝突させるというシンプルな「攻撃」を再現しようとしたところ、驚くべき事態が起きました。石鹸入れが缶詰に到達する前に、自ら進路を大きく逸れて、バスタブの排水溝に吸い込まれていったのです。この「想定外の自滅」という事象が見られた時点で、すでに計画は破綻していました。
推測するに、石鹸入れのプラスチックとバスタブの陶器表面との間に生じた微弱な静電気が、水流の渦と共鳴し、計算外の加速と軌道修正を引き起こした可能性があります。あるいは、缶詰から滲み出た魚油の膜が水面に形成され、それが石鹸入れの進路に不可視の抵抗を生じさせたのかもしれません。私のシミュレーションは、「軍艦攻撃」どころか、「石鹸入れの自殺」という全く別の現象を引き起こしてしまったのです。
私が壮大な海戦を再現できるわけがありません。しかし、この失敗から得られた教訓はあります。それは、いかに精密な計画を立てようとも、自然界の微細な力の均衡が崩れると、全く予想だにしない結果が生まれる、ということです。水という媒体は、その表面張力や粘性、そして所長の「やることなすこと裏目に出る」という超自然的な法則が複雑に絡み合い、我々の常識をはるかに超えた挙動を示す、実に奥深い存在なのです。
結局、バスタブはイワシの油でヌルヌルになり、石鹸入れは排水溝の奥底へと消え去り、私の手元には空の缶詰だけが残りました。スリランカの救助活動も、イラン外相の発言の真意も、この実験からは一切解明できませんでした。ただ一つ分かったのは、イワシの缶詰を浮かべたバスタブの掃除は、想像を絶する大変さだ、ということだけです。